大竹民子のエッセイ集『海の庭』を長らく積んでいたのだが、夜中に参ってしまってベッドの奥にある本棚を眺めていて、本に呼ばれた気がして手に取った。
あとがきによると、この本は泉鏡花の絵本『化鳥』のような本にしたいと願いたって作られた一冊なのだそうだ。
第56回造本装幀コンクールで受賞を果たした一作と、当時運用していたインスタグラムに流れできて、迷わず注文したのだった。
和紙の質感に、墨絵の美しさが光る装丁デザインとなっており、組版のあり方など、細部にまで趣向が凝らされている。
装丁が素晴らしいだけでなく、動植物や家族へのしずかな愛情が、格調高い文章で綴られており、味わい深い一冊だった。
以下、その周辺のことを、養老孟司の言説や小島秀夫監督作品の「メタルギアソリッド2」も援用しつつ、もう少し掘り下げて書いていく。
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