紫水宮

嘉村詩穂の告知ブログ

2024.03.27 作業環境と創作について

2024.04.04現在のまえがき

以下の記事は2024年3月27日に書いたもので、しばらく寝かせていた。

この間、Notionの奥に眠らせていたのだが、改めて読み返してみると、それなりにまとまっているし、作業配信のような試みは今後も行っていければと思ったため、公開することとした。

自分自身の体調面や、家族の勤務スタイル、愛猫のライフスタイルの移り変わり等々に応じて、その都度作業内容や、作業の時間帯、文章を書くスタイルも変化せざるを得ないし、3月27日時点の記録として留めておいてもいいのかもしれないと思ったのだった。

また、持病を抱えて文章を書くことを仕事にしている人間が、どのような作業環境・作業内容で日々文章と向き合っているのかお伝えすることができればと思い、改めてサルベージすることにした。

今後ともこのようなスタイルの作業配信のような記事を書ければと思うので、気になる方はぜひご購読いただきたい。

以下、2024年3月27日の記録を綴っていく。

 

はじめに

作業配信なるものが流行っているようで、しかし私はイラストを描くわけでもなく、話しながら文章を書くことはほぼ不可能なので、近しい形の何かをできればと考えていた。

今回は試験的に、最近の作業について語ってみることにする。もしかしたら今後も不定期にこうした報告のようなものを書くかもしれないし、今回きりになってしまうかもしれない。

いずれにせよ、ここ2週間の作業を大まかに振り返ることにして、その間活用していたBlueskyのことについても語っていきたい。

 

作業環境紹介とBluesky活用法

詳しいことはこちらの記事に書いているが、もう少し補強できる箇所もあるかもしれないので、以下書いてみることにする。

another-world-of-aniron.hatenablog.jp

持病の療養のため、日中はほとんど作業ができないので、作業は夜間に自室に戻って行うことが多い。

ここのところはお供のお茶も用意していなかったが、これを書いている今はルピシアのハニーブッシュを淹れて、しばらく何を書くべきか考えあぐねていた。

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どうする? 創作する人間のSNS運用問題。 vol.2

はじめに

日々刻々と変化する時勢などで、SNSの使い方はその都度変わっていくものだなと感じ、2024年3月31日時点での運用方法について書いてみようと思います。

まだなかなかこれが自分の最適解という形に落ち着いたわけではありませんが、全体として云えることは、ブログに重きを置いて、SNSはその足がかりにするという役割にしていることです。

このバランスは今後とも変わらないだろうと思うので、現時点での各SNSの運用方針について、以下書いていきます。

一つ前の記事はこちらです。

another-world-of-aniron.hatenablog.jp

 

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今後の活動について、現時点で考えていること。

ここのところ、公募にも出さず、かといってネットにその多くを載せることもなく、ひっそりと創作をつづけている。

他者からの評価を得るためではなく、自分自身のための創作をしていきたいと今は考えている。

昼間はとある公募に出そうかとも思ったのだが、それでたとえ賞を取れたとしても、詩集を刊行できるわけでもない。

詩人として詩を書いて生きていくことは第一として考えてはいるけれど、目先の欲だけに囚われたいとも、今は思えない。

無名の人間のまま死んでいくのかとも思うけれど、人生の最期の瞬間を迎えるにあたっては、私自身がどのような人間として振る舞ったかが全てであって、それ以上に大事なものはないのだろうと今は思う。

それは育ての親であった祖母が天寿をまっとうして亡くなって、その最期を看取った人間としてよくわかったし、たとえ無名であったとしても、最期まで立派に、そして優しさをもって生き抜いたという事実だけが、残された者の胸を打つのだということを、祖母は最後に教えてくれた。それは何よりも人として尊い教えなのだろう。

100分de名著のフランクル『夜と霧』を先日読み返していて、病気で何もできなくなってしまった人が、最後に人間の尊厳を見せるのは、何を成したかではなく、人間としてどのような態度を表したかということに尽きるという趣旨のことが書かれていた。

何も持ち得ない、死を間際にした人間が、最期に感謝の言葉を伝えて息を引き取る。その様を祖母は見せてくれたし、フランクルの言葉は、実感として私の胸に迫ってきたのだった。

公募に出してその結果に一喜一憂するのも今は疲れているし、思想の如何を以て他人の秤にかけられることそのものが不快でならないのだと、昨年の某所への投稿で思い知ったので、今はそれらから無縁なところで詩を書きたいという思いが強い。

それはXから離れたことで得られた感覚だろうし、あるいは今の時勢を日々観察しているから得られた知見かもしれない。

今は自分自身が呼吸しやすい場で活動したいという思いを抱くようになっていて、それが同人誌という形をとるのか、BOOTHでの有償配布という形を取るのか、あるいは全く誰にも見せないで詩を書きつづけるのか、今はわからないけれど、とにかく作りたいときに作れるだけのものを書いていきたい。

世に対して自分自身の詩を問いたいとか、詩を以て世に出たいとかいう俗な考えももう失せてしまって、今は塚本邦雄が20部限定で自筆の歌集を作っていたように、遊びの延長で詩を書きたいと思っている。

それが最も優雅な詩人としてのあり方だと思っているし、やはりそうすると極少部数のみ同人誌を作るという方法が妥当なのかもしれない。

それで何部捌けただの、売り上げがいくらあったのだのと野暮なことは語りたくない。

今はそれでいいのだと思うし、戦時下に谷崎が私家版の『細雪』を作ったように、私もそのような活動をしたい。

小説に関しては、近しい人が再び筆を取ろうとしているという知らせを聞いた。

自分なりに書きたいジャンルと巡り会えたのは幸いというべきだろう。私自身はそれが果たせなかったし、そうして小説を書けなくなってしまった。

それでも昨年末から、少しばかり掌編を書くようになってきた。

note.com

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今再び小説を書こうとすれば書いていけるのだろうか。

少し考えてしまうこともあるけれど、それも商業デビューなどということは度外視していたい。カクヨムコンテストの短編部門で最終候補になったことも、商業誌に載ったことも3度ほどあったが、商業デビューこそ全てと思っていたのは、ある種の呪いに他ならなかったのだと今は思う。

あるいはもう少し病状が良くなれば、そうした意欲も出てくるのかもしれないが、私自身の理想とする形を追おうとすればするほど、今の世の中から遠ざかってしまうのではないかという思いもある。

そうしてひっそりと自分自身が趣味的に創作をしていくことが、少なくとも現状では最も妥当な私の書き手としての延命法なのだろうと直感している。

限られたリソースの中で、それでも書きつづけるためにやっていること。

作業環境を整える

ここのところの作業は深夜に行うことが多い。

内容としては、日記やブログ記事の執筆や、詩歌を作るなどしている。
そのお供に、これまでは水を入れたボトルを部屋に持ち込んでいたのだが、深夜になると温かい飲み物がほしいことが増えてきたので、マグカップルピシアルイボスティーや、ほうじ茶、温めたトマトジュースなどを淹れて部屋に持って帰り、作業や読書の合間に飲んでいる。

ルピシアルイボスティーはルイボスレモンやピーチメルバなど、甘い香りのものが多くて癒されるし、ほうじ茶「鬼の焙煎」も香ばしい香りにほっとリラックスできる。
私は昔から部屋に食べ物を持ち込まない主義なので、トマトジュースはありがたい存在で、他にも甘酒やホットミルク用の牛乳などを常備するようにしている。
作業はSpotifyでクラシックを聴きながら行うことが最近では多く、特に好きなのはバッハやヘンデルといった古典音楽や古楽ショパンなどで、クラシックギターやピアノを使ったソロや小規模の編成のものを好んでかけている。

 

メモと時間の活用法

そうして作業環境を整えてきたものの、これまではまっさらなエディタに臨んで一気呵成に書き上げるということが多かったのだが、持病もあってなかなか腰が重くて書くに至れないということが増えてきた。

そこで、

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X、Bluesky、インスタ、どうする? 創作をする人間のSNS運用問題。

Blueskyのアカウントが100ポストに到達したので、改めて各SNSの運用について考えたいと思います。

利用しているSNSはX(Twitter)、インスタ、Blueskyの3つです。

Threadsは初期に少しだけ利用していましたが、今は全く使っていないので割愛して、この3つのSNSで感じたメリット・デメリットや、現在の運用方針などをまとめたいと思います。

 

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お知らせと近況報告など

近況報告など

NHK学園のさくら短歌大会に投稿しました。

もともと公募に出すために短歌を詠んでいたというよりは、日々のことを思いのままに詠んでいた短歌が溜まってきていて、その中から題詠と自由詠をそれぞれ選んで投稿しました。

短歌は自分自身の短歌の拙さにめげて、やめてしまおうかとも思っていたのですが、それでも最近ふたたび詠むのが楽しくなってきたこともあり、また先日短歌読書会で薮内亮輔『海蛇と珊瑚』を読んだこともあってモチベーションが高かったのでした。

公募にとにかく出すために詩歌を作ることに励む、ということがここ2年ほどつづいていたのですが、それにも少し疲れが出てきたので、今は作ることを楽しもうというスタンスに移行しつつあります。

結果的にその方が詩歌の上達の早道な気もしていて、インプットに励みつつ、創作にもその糧を反映させていきたいです。

ちなみに来月には主宰している文芸同人サークル・かもめでの、遠藤周作「影に対して」読書会が控えていて、こちらも開催が今から楽しみです。

小説を書くことはまだまだ迷いが大きいのですが、今は作っていて楽しいと感じるものを少しずつでも作りたいという思いがあり、またそうしているうちに見えてくるものもあるのではないかと期待しています。

ひたすら黙々と非公開で作り続ける日々なので、たまにnoteなどに作品を投稿することもあるかもしれませんが、自分自身の作品とじっくりと対峙したいという気持ちが強いので、気が向いた時に更新する予定です。

先日はハイファンタジー掌編小説「碧玉の足輪」をnoteにて無償公開しました。

note.com

ぜひお読みいただければ幸いです。

 

今後のこと

頒布予定のエッセイ集について

エッセイ集をPDFファイル形式にしてBOOTHで有償頒布するか、noteで有料記事として販売しようかと考えています。


原稿は揃っていて、15000字ほどなので、そうした形が妥当と判断しました。


まだまだ校正等やっていかねばならないので、少しずつでも前に進めていければと考えています。できれば今年の上半期中には出したいところですが、もしかしたらnoteでの先行配信という形を取るかもしれません。


note.com

表紙の作成等々、まだまだ手掛けなければならないことも多いので、地道に進めていきたいと思います。



 

梅見をテーマとした詞花集について

また梅見をテーマにした詩歌の個人アンソロジーを出したいと考えていて、こちらは頒布時期は未定ですが、短歌と散文詩が織りなす、詞華集になればと思っています。


形式は現在のところDL形式の折本を予定していますが、長くなるようであれば、こちらもPDFファイル形式またはKDP(その場合はAmazon専売)になるかもしれません。


じっくりと腰を据えて取り組みたいテーマでもあるので、焦りすぎず、進めていきたいです。

BOOTHで頒布中のDL形式の折本もどうぞよろしくお願いいたします。

star-bellflower.booth.pm

中でも時期的にタイムリーなので、第4回笹井宏之賞落選作「病めるヒュプノスの夏」をピックアップして貼っておきます。

star-bellflower.booth.pm

noteでも同様の内容のものを販売しております。

note.com

既刊の散文詩集も併せてご覧いただければ幸いです。

罪人の冠を頭にいただき、人の子を惑わしたすべての女の恨みを纏って、私は消えてゆく。
嘉村詩穂の個人詩集。 個人サイト「紫水宮」と主宰している文芸サークルかもめのweb文芸誌「かもめソング」に発表した詩に、書き下ろしを加えた散文詩集です。
耽美主義を掲げ、表題作となった「挽歌」を中心に、主に和風・東洋風の幻想的な詩を収録しています。

-収録作品-
マディソン

逝春(せいしゅん)
よみひとしらず
或神話研究者の最期
挽歌
或楽師の書簡
緋鯉抄
調香師の終末
秋菊
夕波千鳥
秘仏
雪女郎
墨色の使徒
耽美主義を掲げ、SF・中華幻想・仏教、そして著者のふるさとへの憧憬をテーマとした、第二散文詩集です。
以下の十編の詩を収めています。

-収録作品-
青磁の爪
白狐譚
鶯姫
エリザベート・バートリの末裔
いにしえのうた
最後の手紙
人体標本
真珠姫の恋
補陀落渡り
地獄の白百合

Kindle Unlimited会員様は追加料金なしでお楽しみいただけます。

この機会にお手に取っていただけるとうれしいです。

次なる道へ

ここ一ヶ月、どこにも詩歌の投稿をせずに、ひたすら作り続けてきましたが、どうしても詩集を編んだり、同人で活動をしたり、投稿をしたりすることがためらわれて、黙々と非公開で書いていました。

ただ、これをいつまでつづけるのだろう……という思いもあり、その一方で新たに現代詩手帖ユリイカに毎月投稿するバイタリティはもうないなぁと感じていました。

それでも作ることをやめられず、悩みは募る一方でした。そうした日々に疲れて、先ほど紙に「とりあえず業績だけ書き出してみて、それで決めよう」と決意しました。

書き出したのは以下の通りです。

 

現代詩

『ココア共和国』秋吉久美子最終候補(2022年)

 

小説

商業誌掲載作品

『文芸ラジオ』1号掲載

短編小説翡翠譚」時代ファンタジー(2015)

 

『文芸ラジオ』2号掲載

中編小説「雪花物語現代ファンタジー(2016)

 

『「私」物語化計画』創刊第1号掲載

掌編小説「all the good girls go to hell」時代ファンタジー(2023)

 

カクヨムコンテスト短編部門最終候補

短編小説「山妖記」時代ファンタジー(2019)

kakuyomu.jp

 

BFC5予選通過・「私」物語化計画推薦作

掌編小説「追憶の葬送」ハイファンタジー(2023)

note.com

 

以上のように書き出してみて、明らかに小説の方が適性があるなと今更ながらに気づきました。

少なくとも成果としては詩よりも出してきていますし、ジャンルについては小説講座でホラーを書いてもいいのではないかというご提案をいただいてから、気持ちがなかなか定まらずにいましたが、ずっとファンタジーを書いてきたので、やはりファンタジーを基軸に据えるのがいいのかなと。

詩ではホラーチックなテイストの作風でずっと書いてきたのと、「追憶の葬送」はホラーテイストも入っていますが、ダークファンタジーという形に落とし込めればいいのかなと。

持病を発症してしまって、小説が書けなくなって久しいのですが、昨年末に「追憶の葬送」を書いて、ようやく小説の入り口に再び立つことができたかなと感じています。

小説を書くことにはまだまだ基礎体力を戻すまでに時間がかかるかとは思いますが、それでもゆくゆくは投稿を見据えて、少しでも前に進めるようにしたいです。

ひとまずここ最近書いた詩の中に、掌編〜短編小説に仕立てられそうな作品もあるので、そちらを膨らませてみようかなと思いつつ、全く違う新たな作品を書きはじめるかもしれません。

いずれにせよ長期戦になると思って、あまり一喜一憂しすぎずに、基礎体力を取り戻していけるようにしたいです。